
倖田來未/rhythm zone
覇権を取る演歌歌手が絶滅に等しいが、演歌自体はポップスの中で息づいている。バラード『On my way』は編曲を変えれば紛れもない演歌で、心に染みる。演歌歌手がポップスをカバーして「歌うまい」称賛される様に、プロシンガーが演歌を唄えば「歌うまい」。技術は研究され尽くし解説はYouTubeにある。その先、説明のつかない人間性や情念と言われるもの、それが「うまい」でなく「染みる」。『On my way』は2017年ドラマ『真昼の悪魔』の主題歌。原作は1980年遠藤周作が「罪は許されるが、悪は?」がテーマの小説。躊躇なく悪を行う主役、田中麗奈の女医はいきなりステーキを爆食いする現代風アレンジが旨かった。→