Then

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小谷美紗子/UNIVERSAL

主人公が、片思いのときめきで始まった唄が終盤にさしかかると、実らない恋を確信してたり、終わった恋の回想だったり。時に残酷な結末が、美しい情景になっているのは、誰かを想い続けた事による成長や、純粋の極みが描かれているから。自身が消滅するほどの献身。裏切られる背中で、犠牲と引き換えの積極。その点でわりと少女漫画のように感じることもある。ロマンスだけでない、えぐるような少女漫画です。生物としての人間に、なぜ「恋愛」なるものがあるのか、その部分の解答が小谷美紗子の「ラブラブではないラブソング」にあるように思う。ワンレイヤー上の議論、脳科学者茂木健一郎によると、恋愛は解明できない脳のバグ、ともいえるそうです。→