TARIKi

TARIKi

KANADe/OTOHA Records

音楽を聴いている時のリッチな体験は、音楽の中にいる感覚だろう。ひとつはライブやフェスで外的視覚や振動で味わうもの。もうひとつは内的トリップ。最良の音楽が心を音楽の中へ連れ出す。 環境もジャンルも関係ない。どんな気持ちか予測できない。『Happy&Sad』はまさにその、内的な時空間旅行だ。街を歩く時もヘッドフォンを耳に、なにかコンテンツを消費せずにはいられない。細い管から点滴の様に音楽を聴き続けることは不健康なことだろうか。いつか、オーディオの前に座って、神妙に1曲目を聴く儀式は消滅する。それでもいい。作品のアップロード、データ配信は、極めて個人的な懐に入り込む思春期のラジオみたいなものだ。→