
KURO、Charm、Masa/Arabesque Ltd
ネットワーク未形成の96年。研ぎ澄まされたサウンドは、欧州のテクノシーンで歓迎され、海外リリースされた日本人CDの逆輸入が雑誌に載るとやっと共通語の有名盤になる様な閉じた時代。東京発のゴアテクノ、サイケデリックトランスに対する批評も価値基準も、東京の街自体には無かったのだ。クラブシーンの中でTOKYOという都市のブランドを確立出来たのは、トラックメイカーたちが島国を飛び越え世界へ作品を投下したからだろう。ダライラマや線香をモチーフにTRIBEとして西洋へ。サンプリングや民族楽器を使うこと無く、アシッドシンセ音のシンプルに偏った構成が、むしろ東洋の神秘、未来都市東京を描く。→