devil’s hands

devil's hands

ACO/AWDR/LR2

R&Bは唄ってて気持ちよかったろう。ビニール盤クラブ遊びも楽しかったろう。エレクトロニカはヘッドフォンにも凝ったろう。過去作『Drop』『material』『Irony』の変遷、どこかのアーチストが「このアレンジもう飽きた、いち抜けた!」とか言い出す前にACOは早く既に駆け抜けていて、エンジニア色の強い行く末は難解路線かと思った。社会学者の鈴木謙介が3.11後に一曲目に掛けたのが、このアルバムの『バラ色の世界』で、不意打ちの正統派バンドサウンドがしっくりきて、歌声だけが聴こえてきた。なぁ、唄ってて気持ちいいだろう、その声待ってた。震災の不安が続く夜中、世界を失っても、自尊心だけは失ってはいけないと思った。→