
Zemankova/independent*
岸田今日子がもしバンドを組んだら?というコンセプトから立ち上がった、ループシーケンサーを核とする電子音響の不定形ユニット。雨音で始まり、電子音楽、造語の歌、語りと展開する1曲目『Pluvo(雨の唄)』がアコースティックギターで盛り上がり、自身の多重コーラスで終わる。予測の上を行く。森に立ちこめる霧や歯車の軋み、機械油や煤汚れなどのデジタル表現では出にくい箇所を見事に表現している。エスペラント語を用いて、指揮者エンジニアのアフロチカが書き下ろす詩も、中世ヨーロッパ的な響きを醸し、物語り性が息づいている。なんというオリジナルな魅力。北欧の幼虫社だ。チェコアニメみたいなPVもマッチしている。→