No Damage

No Damage

佐野元春/エピックレコードジャパン

やっぱり愛すべき曲は『サムデイ』『情けない週末』だけど、一番初めのきっかけは『グッドバイからはじめよう』だった。「ちょうど波のようにさよならがきました言葉はもう何もいらないただ 見送るだけ」こんなことを唄った歌があるのだな、こんな歌があってもよくて、レコードになっているのだと、感動しつつ芸能界ではなく音楽界の存在を知る。そうだ、音楽界と芸能界というものが世の中にはあって、この人は雑誌には出てるのに、なんでテレビには出ないのだろうかとか、そういう疑問を持ち始めるほどの僕は年齢だったし、そのアーチスト然とした佇まいと、歌謡曲では体験したことのない佐野元春の節回しに、音楽界を覗くドアを開けたのだった。→