
筋肉少女帯/TOY’S FACTORY
昭和63年発売。最後の昭和文学は大槻モヨコこと初期筋少だった。屋上のコンクリートの深いつなぎ目を覗いていたら、その暗がりに死の世界を感じたとか、そんな他言無用な妄想でさえも表現の出し方でロックになり、共感を集う事ができる。ペンの力と音楽の魔法を、多くの文学少年に与えたトラウマ大作が『仏陀L』である。救われた気持ちになったキッズたちの熱狂は「もっと救って欲しい」という渇望だったのかも知れない。10年経って『サンフランシスコ』という曲の10年後を描かれることをこの時はまだ知らない。そして平成14年『リンダリンダラバーソウル』を読むまで、ジャケットがYMO『増殖』のパロディーだとは気づかなかった。→