
久石譲/NEC Avenu
なぜオンエア当時、NHK人体という番組に心奪われたのか思い返してみると。知識の欲望はもちろんあるが、学術解剖よりもCGによる人体描写が見事だった。機関、骨格、体液他、まさに体の中に広がる宇宙。CG特有の質感が、生身のそれのように円滑に動く。そして、CGにピタリと合う音楽。メタリックな音色と規則正しいシンセドラムが、生身のピアノ&ストリングスと美しく連動し、生命の力強さと繊細さを見せる。ミクロの決死圏的な劇伴が多いが『OMEGA QUEST』などは人体迷宮のゲームミュージック。体の機能から感情へ。メインテーマ『THE INNERS』のシンセバージョンに始まり、ハープとバイオリン演奏バージョンで幕を閉じる。→