
マイケルナイマン/TOSHIBA EMI
映画の主人公同様、なにか暗くてぬめっとした、それでいて手触りの良いものを、ピアノという楽器に注いで放出している感じ。不安で切ないメインテーマはTV番組の事件再現ドラマなどでもよく耳にする。ジャケットは、映画の中で厳しそうにうねる寒くて暗い海。Piano or Die ! 「私にはピアノしかないんです」ってくらい内向的に燃える魂。情緒的と言うよりも、もっと深刻に揺さぶられるメロディー。よくサントラ盤で、数秒のシーンの音声が収録されているのがあるが、『ピアノレッスン』最後のシーンの曲に、主人公エイダの金属の義指が鍵盤に当たる「コツッ」という音も含めた演奏を収録すれば、心を打つ名盤になったかも。→