魔女図鑑

魔女図鑑

吉澤嘉代子/ヤマハ

ボーカリストを好きになる時、好みの声だから何を唄ってても好きになっちゃう理想の声ってのがあるけど、吉澤嘉代子の場合、声でなく、歌い方のそのまた根本の、口の中が大好きだ。 唄い語り気味の『未成年の主張』のモノマネをしてみて欲しい。ま、わ、ぴ、ん、は、わん。彼女のモノマネをした時の、口元のモニョモニョする発音の身体感覚と恋がユーモアに暴発した恥ずかしい感じの、なんという共感覚。赤んぼうが「ママ」と発する時には、口元の筋肉に優しい快感があるという。言葉の意味の説得力よりも、もっと神秘的な口の中の気持よさ。もしかしてアルバム『魔女図鑑』を「まじゅじゅかん」って言うのも、口に出すと「まじゅじゅかん」の方がキモチイイから?→