
Zemankova/independent*
雨だれの叩く木琴。曲が走り出し、遅れて聞こえてくる呪文のような歌声とハミングで構成された1曲目『Dawn-lullaby』だけが今回唯一のボーカル曲。チャリンチャリンと金属のあたる何かを降っている音だけの2曲目『時計の部屋』。オルゴール仕立てでセピア色の時間を逆回転させてくる『夏の腐れ月』。小さな歯車、振り子が延々と同じ運動を繰り返すコトコトと幾何学的で固い音符。鬼才アフロチカ女史が「岸田今日子がバンドを組んだらどうなるか」という一見奇異なコンセプトを、ボーカル的な語りでなく、インストロメンタルのサウンド面で確実にやってのけたアルバム。岸田今日子ミーツSteve Reichのコラボだ。→