百六十度

百六十度

ヒグチアイ/タクミノート

小学生が辛い習い事に時間を費やす日々が、本当に必要かと考えることがある。厳しい練習だったというクラシックピアノの十何年が、クラシックそのものじゃなくても、ヒグチアイの自己表現の骨になっている様子を見て「やはり、幼年期から何かに打ち込ませる事がいつかこの子に救いになるのではないだろうか」と、信じたい様に解釈して、確信が欲しいけど、でもそれはどう考えてもサバイバル術の半分まで。コース決定、環境設定を強いるなら同時に、もう半分、自分で何か気づいて掴んでくれと願うしかない。「うた」でした、という断言に辿り着いたのは、親が与えたピアノのほか、岡崎京子の漫画や、親の知らない彼氏や、魂が気づいて掴んだ日々なのでしょう。→