
水森かおり/徳間ジャパンコミュニケーションズ
かつて小谷美紗子が『Stone』の中で「地球上で唯一結ばれないと決まった二人…二人の思い出をギリシアの神殿で石にされてしまいたい」と唄った世界を割く様な悲しい別れが、水森かおり『鳥取砂丘』の「潮の匂いに包まれながら砂に埋もれて眠りたい…鳥取砂丘の風に尋ねたい私に罪があるのでしょうか」と、その心情の機微において完全一致を覚えた。柔らかくしかし強い歌声。技と力に裏付けされた情のこぶし。日本歌謡曲伝統の音色といえるオーケストラとアコギの織りなす豊かな演奏。これにイントロ曲紹介の名調子が加わると、なんというラグジュアリー感だろう。のれる曲、泣ける曲、色々あるが、酔える曲とはこういう歌でしょう。→