宇宙のママ

宇宙のママ

小谷美紗子/ユニバーサル

深いなー。果てしないなー。『四季』における心の染み方はなんなんでしょう。軽やかなアコースティックギターで、歌い上げるわけでも無くナチュラルに、潜む人間の「欲」やら「純」やらがもうもうと沸き出してくる。言葉、文脈が接触してくる。音楽はそもそも見えないものだが、想う力がこんなにも封入されているCDがあるものなのだな。今作は、感情ひっかきっぱなし、追い詰めっぱなしではなく、ゆっくりと落ち着かせてくれる曲が多い。「明日に心を配らず眠れ」と「私があなたを分かるから」と、『宇宙のママ』は寝かせる側の歌。泣きつかれて静かに眠る。寝かせてくれる。どんな悩みも昔のこととなって古びてゆく。『edelweiss』は万民記憶か。→