
西原鶴真/independent*
薩摩琵琶の弾き語り。全身にお経を書き込み、平家の墓場であまたの鬼火を相手に「ベケベンベン!」とやるあれです。耳にお経を書き忘れないように。琵琶の音もかっこよければ、貼った弦の振動をスローモーションで見ているような声の出し方も、楽器と完全一致しています。もちろん平家水軍の物語『壇ノ浦の戦い』も聞き取れつつ「うぃーん、みぉーん」という超周波が発信されていて、イルカやネコがいたら、共鳴して一緒に鳴きそう。「現代に珍しい」でなく「ただいい音!」まどろみながら聞いていると、黄泉の国へ連れていかれる。俳句詠みとのコラボライブを新宿で見たが、この才能をどこで露出したらいいのか、ひとごとながら考えてしまったよ。→