
セルゲイ・ラフマニノフ、他/ユニバーサルミュージッククラシック
ドラッグに溺れた幻覚やアルコール乱痴気騒ぎからの閃きではなく、国の動乱や亡命など、歴史の歪みを背負ったラフマニノフ。晩年まで雪に覆われていたのは彼自身。極寒の厳しさを知る者こそが、僅かな春の気配に歓喜する様な、硬い心が溶けるボカリーズ。師事している音楽講師の下宿先に、チャイコフスキー大先生が魚のパイを食べに来る?!そんな地続きエピソードも、へーそうなんだ。ストーリーの起伏やオチが弱いとか、クラシックマニアや映画オタクには言わせておけ!どこまでも環境に恵まれずピアノ協奏曲を通して叫んだ男が、もつれて転がり頭ぶつけながら、最後に妻と子とを抱きしめるホームドラマに辿り着く。→