
若林忠宏/J-MUSIC CORPORATION
カンボジア系のCDを探していて唯一見つかったこれ。演奏者はタイ・カンボジアに限らず、世界中の独特な楽器の演奏音源を残しておられるようです。ルーツ的なことに思いを馳せると、遙かなるシルクロードからの迷い道でジャングルに離脱した独自の集落で、進化を拒んだ密やかな音楽と言いたくなるような味わい。ガムランみたいなもの、二胡みたいなもの、琵琶みたいなものなど、似ているがそのものとはちょっと違う楽器のハーモニー。インドネシアの濃厚なネットリとした雰囲気にくらべると、若干カラッとした乾いた軽快な太鼓の音が目立つ舞踏音楽です。文化が一度途絶えたところからのクメール文化の掘り起こし伝承は応援したい。→