
ほたる日和/FAR EASTERN TRIBE RECORDS
勧められた知らないCDを聴くのだけど、古い作品より圧倒的に新しい方向へ手を伸ばすのは、成熟しきっているものより、ナニモノかになりかけている存在が好きだからだ。ほぼ裏声のソフトな男声ボーカルは誰かの声でなく、自分の思い出のモノローグのよう。銭湯とスーパーのある街に引っ越してきた。部屋にこもって書き留めた夢の話。この蒔いた種は花を咲かすか。今も東京でどれだけの夢が光を失い、どれだけの夢が光を手に入れる。そんな、ナニモノかになりたい気持ちを唄うことは、自身の表明であり、 同じ気持ちの者への応援歌で、心を失いそうな時に正気に戻す。何年か経っても転機に思い出すのはそういう歌だ。→